ssまとめ 1~30

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  つないだ手 / 記録と履歴 / 「おやすみ。」 / 果たせなかったこと / K氏の証言その1 /

  面影 / 憤り / 溶けていく赤 / 〇〇の歌 / 身長についてのある日の会話 /

  見惚れる / 君の夢 / 好きな色 / 緋色のサングラス / 彼の噂 /

  もし4人がLINEをやっていたら / 別れのとき / 衝動と愛情 / 揺れる心 / 11月11日のこと /

  年越し~年越えて / 「×××××」 / しあわせ / しあわせの続き / きいろいとり /

  私はきっと、 / ほぐれる瞬間 / 似た者同士 / 重なった偶然 / 変わること /

 


 

 

 

 

『つないだ手』

 

 

 人波に飲まれそうになり、引き寄せられた手。

 思いがけず感じた暖かさに、思考が止まる。

 

 ……はぐれないようにと繋がれた手に、自分から少しだけ力を込めてみた。

 数秒してから、彼の大きな手に更に握り返されて、見えないけれど笑みを浮かべる。

 

「……離すなよ」

「うん」

 

 

END

 

 

 

 

初めて書いたハンターss。これが切欠でツイッターssを始めることに。

 

 

 

 

 


 

 

 

『記録と履歴』

 

 

(side K)

 

「もしもし、さっき話し中だったけど誰かと話してたの?

え? またクラピカにかけてたのかよ。飽きねーなぁ。

しかもまだ話せてないのかよ!

……それってさ、何度もかけたから嫌われてんじゃない?

あーらら、ご愁傷様。

(ま、ホントに嫌だったら着拒してるはずだから、何だかんだ嫌がってないと思うんだよね、あの人)」

 

 

 

(side G)

 

「クラピカ、携帯見てどうしたの? 仕事の連絡?

え、着信履歴?うわー、見事にレオリオばっか…。

あはは、そんなにかけてくるんだ!

かかってくる方としては、ちょっと大変そうだね。

(でも何だか嬉しそうだね、クラピカ)」

 

 

 

END

 

 

 

 

惚気に振り回される子ども二人。

 

 

 

 

 


 

 

 

『おやすみ。』

 

 

「おやすみ」

「ああ、おやすみ」

 

 当然のように返してふと気付いた。

 自分以外の誰かに言うなんて、何て久しぶりだろうと。

 ましてや誰かの隣で眠るなんて。

 それを不思議に思いこそすれ、嫌な気持ちはしない。

 夢の中の彼にはもう聞こえないだろうけど、当たり前のその言葉をもう一度呟いてみた。

 

「……おやすみ」

 

 

 

「おやすみ」

「ああ、おやすみ」

 

 当然のように返ってきた声が、耳に馴染んでいて内心驚いた。

 ほんの数日前に出会った奴だというのに彼にはするすると言葉が出ていたし、ひた隠しにしていた夢すら語っていた。

 オレは、自分が思う以上にこいつのことを気に入ってるのかもしれない。

 夢現にそんなことを思った。

 

 

END

 

 

 

 

診断メーカーさんの「〇〇への3つのお題」の一つ「おやすみ。」から。

クラピカ側を書いたらレオリオ側も書きたくなり、この話から「二人の視点」を意識し始めました。

 

 

 

 

 


 

 

 

『果たせなかったこと』

 

 

(ごめん、ごめんね)

 

 ずっとお前に言いたかった言葉。

 あの時のことを覚えていないお前に、ずっと言えなかった言葉。

 こんな言葉、きっとお前は望んでいないんだろうけど、でも言いたかった。

 だから外で医者を見つけて、帰ってきたら、改めて言うつもりだった。

 あの時はごめん。助けてくれてありがとう。

 

 だけど、もう、何一つ伝えられない。

 ごめん、ごめん、オレのせいだ。

 

 

 

END

 

 

 

 

クラピカ→パイロ。パイロが落ちたことを覚えていなかったということは、クラピカはずっと彼に謝罪できなかったのだろうと…。

 

 

 

 

 

 


 

 

 

K氏の証言・その1

 

 

「なぁ知ってる? あいつらってさ、いっつもお互いのこと見てんだよな。

ああ違う違う。見つめ合ってんじゃなくてさ、相手の後ろ姿とか、何かしてる時の横顔見てんの。

その癖目が合ったと思ったらすぐ喧嘩始めてて。

毎度毎度あきねーよな。本当はめっちゃ相手を見てんのに。

全く、仲が宜しいことで……」

 

 

END

 

 

 

 

惚気にあてられてるキルア君。

 

 

 

 

 


 

 

 

『面影』

 

 

 人混みの中、ちらりと髪の隙間に揺れるイヤリング。

 すれ違った女の顔を見ていたのは、見惚れていたからではない。アイツを思い出していたからだ。

 肌身離さず、お守りのように付けていた紫の石。

 アイツが走る度、オレの顔を見上げる度に揺れていたそれ。

 今何してんだろうな。鳴らない電話の履歴を見た。

 

 

 

 如何にも裏社会の人間だと主張する様なサングラスの強面を見て、何故だかおかしいような気持ちになった。

 隣のセンリツが不思議そうに見てくる。何でもないと告げて前を向く。

 クラシックな丸い形のサングラスにアイツを思い出したなんて、言える訳がない。

 ポケットに入れたままの携帯の履歴を思った。

 

 

END

 

 

 

 

 

 


 

 

 

『憤り』

 

 どうして、私だけ。

 

 奪われた怒りと、世界に取り残された悲しみが渦巻いて、制御できない。

 衝動のまま叫びたい。見なくても、己の瞳は緋色だとわかる。

 けれど、理性を失っては駄目だ。

 止めてくれる人もなにも、私にはないのだから。

 

 

END

 

 

 

 

クラピカが冷静な理由を考えていて書いたもの。

 

 

 

 

 


 

 

 

『溶けていく赤』

 

 

 見るな。やめてくれ。手を伸ばさないで。

 私に希望をちらつかせないで。

 自分の苦しい時だけ縋るなんて、そんな都合の良いこと出来るはずがない。

 甘えは弱さだ。弱さは罪だ。

 優しい君を共犯者になんかさせたくない。

 

 だから、だめだよ、そんな手つきで、触れられたら無理やり凍らせた心が、溶けてしまう。

 

 

 

END

 

 

 

緋の眼を隠そうとするクラピカと、それに手を伸ばすレオリオ。

 

 

 

 

 


 

 

 

『〇〇の歌』

 

 

 機嫌の良い時、アイツが時々口ずさむ歌がある。

 知らない言葉、音。多分、故郷の唄か何かだろう。

 尋ねたい気持ちもあるけれど、何かの拍子にアイツの小さな幸せが壊れてしまうのを恐れて、いつも黙って聞いてるだけだ。

 ある時、歌が終わった後、ふいにアイツがこちらを見て微笑んだ。

 

「何を歌っているか、気になるか?」

 

 気付いてたのかよ。決まり悪く頭を掻きながら、お前が歌うのって、その曲ばかりだよなと言う。

 

「君といる時しか歌わないからな」

 

 何で? と聞くと、アイツはオレの耳元に寄ってきて囁いた。

 これは恋の歌なのだよ、と。

 

 

END

 

 

 

 

 


 

 

 

『身長についてのある日の会話』 

 

 

「レオリオって背高いよね。いいなー。オレもいつかレオリオぐらいになりたいな」

「いや、止めといた方がいいぜ」

「そうだぞ、ゴン。レオリオみたいになったらロクなことがない」

「どーいう意味だコラ! 身長の話だろ!」

「でもマジな話さ、一体何食ってたらそんなバカでかくなるわけ?」

「さあな。とりあえず牛乳飲んどきゃいいんじゃね?」

「うわー、てきとー」

「それでいいのか医者志望…」

 

 

END

 

 

 

 

タイトルそのまま。実は自分も大きくなりたかったキルア君。

 

 

 

 

 


 

 

 

『見惚れる』

 

 

「風呂上がったぞー。何読んでんだ?」

「先日古書店で買った物だ。………」

「ん?」

「………いや」

 

 サングラスがない顔を真っ正面から直視して知らず見とれていたとは、口が裂けても言える訳がない。

 

「顔が近い」

「近づけなきゃ読めねーだろーが」

「くっつくな、暑苦しい」

 

 

END

 

 

 

 

同居してる二人。まさに惚気!!

 

 

 

 

 


 

 

 

『君の夢』

 

 

 地を見つめて生きてきた。

 同胞の倒れ伏した大地を見つめて。

 奪われたものを取り戻すために、闇を覗いて、この身も沈めて。

 

 けれど君といる時は、地の底から上へと引き揚げられるような、そんな気になる。

 水面から出て呼吸が出来るように。

 

 そうして視界に入ったのは、限りない青い天井。

 君の瞳に映る、夢

 

 

END

 

 

 

レオリオの夢に希望を見出すクラピカ。

 

 

 

 

 

 


 

 

 

『好きな色』

 

 

 美しい。外に出て、この言葉を何度聞いただろう。

 その度に吐き気がした。

 裏側の黒い欲望が透かし見えて。

 でも、不思議だ。

 君の言葉は素直に聞けるし、それに……君が好きだと言ってくれたお陰で、私もこの色を今では好きだと言える。

 

 ……だから、君の前なら……

 ……いや。

 君にだけ、この瞳を見せてもいい。

 

 

END

 

 

 

 


 

 

 

『緋色のサングラス』

 

 

 目の色が戻らない。

 熱に魘される合間に意識が浮上しては、赤い視界に見慣れぬ景色が映るだけ。

 ただ、手はずっと握られていた。

 そのことは覚えていた。

 

 何度目の覚醒だろうか。

 暗がりの中、ランプの光に外されたサングラスが見えた。

 そして、聞こえる小さな寝息。

 

 そうか、ずっと傍にいてくれたんだな。

 

 

 

 

END

 

 

 

ツイッターでフォロワーさんと盛り上がり、『緋色の眼で見るサングラス』をお題に即興で書いたもの。

 

 

 

 

 

 


 

 

 

『彼の噂』

 

 

ゴン「クラピカとレオリオって仲良いよね!」

クラ「違う。断じてそんなことはない」

ゴン「え、本当は嫌いなの……?」

クラ「え、あ、いや、そういう訳ではなくてだな……」

キル「(おもしれ)」

 

 


クラ「全く、口を開けば金と女のことばかり。アイツには品性というものは無いのか……」

キル「でもレオリオといる時、アンタ結構楽しそうだよね」

クラ「な……!?」

キル「(おもしれ)」

 

 

 

END

 

 

 

 


 

 

 

『もし4人がLINEやってたら』

 

 

レオリオ「クラピカの奴、いつも既読無視しやがって。『了解』とか『わかった』とか、ちょっとは返事書けってんだ。なぁ?」

ゴン「え、オレすぐ返信来るけど」

キルア「オレも」

レオリオ「」

 

 

END

 

 

 

タイトル通り。雑な扱いは親しい証拠だよリオレオさん!

 

 

 

 

 


 

 

 

『別れのとき』

 

 

 君が大事じゃない訳じゃない。

 でもまだ、果たさなければならない目的がある。

 それがいつ終わるかはわからないが、それを終えた時、それでもまだ君が私を忘れないでいてくれたら……その時は、必ず伝えよう。

 

 だから今は目覚めないで。

 この口付けには眠ったまま、気付かないでいて欲しい。

 いつかの時まで。

 

 

 

 夢うつつの中、唇に触れる感触。

 少し湿ったあたたかいそれに、溶けてしまいそうになることを度々感じていた。

 

 ある時僅かに瞼を押し上げたら金色の髪が見えて、これが現実なのだと知った。

 ズリィ。こんな中途半端に幸せな気持ちにさせやがって、離れていくのが哀しくなるじゃねぇか。

 ……待ってるからな。

 

 

 

END

 

 

 

 

 


 

 

『衝動と愛情』

 

 

 どんな奴にだって、愛しい奴に対して独占欲がある。

 別に自分だけが我慢している訳じゃない。

 だからたまには我を通そうと思うのだが、幸せそうに笑ったり、逆に悲壮な決意を宿した眼をしてるお前を見ると、暴力的ともいえる気持ちは鳴りを潜めてしまう。

 

 しゃーねーか、結局惚れちまったモンの負けだな。

 

 

END

 

 

 

 

 


 

 

 

『揺れる心』

 

 

 他人に心を許すまいと決めてから、どれだけ経っただろう。

 数日前から隣にいるこの男を、思いがけず気に入っている己に「いけない」と警告する。

 またそう信じて、裏切られたら嫌だろうと。

 ……彼はそんな真似をしないと知っているにも関わらず。

 

 違う、本当は傷付くのが怖いだけ。

 一人に戻るのが、嫌なだけ。

 

 

END

 

 

 

出逢った頃のレオ+クラ。心揺れてる頃。

 

 

 

 

 


 

 

 

*11月11日のこと*

 

 

「ポッキーゲーム?」

「知らねぇのか? こう、端から食っていって、先にポッキーを口から離した方が負け。やってみねぇ?」

「別にいいぞ」

「え? マジで?(断られるかと思った)」

「先に離した方が負けなのだな。よし、勝負だレオリオ」

「何でそんな目がマジなんだよ……色気ねぇ……」←でもやる二人

 

 

*やってみてる二人*

 

「……レオリオ」

「ん? なんだ?」

「二人とも最後まで離さない場合、これは……」

「キスすることになんな」

「なっ……!」

「お、離す気か?だったらお前の負けだな」

「~~!!」

「はい、ごちそーさん」

 

 

 

END

 

 

 

 


 

 

 

~年越し前~

 

 

「……あ」

「ん? 何だ?」

「外、耳をすませてみろ」

「……お、除夜の鐘か。この街でも鳴るんだな」

「年が明けたらハンター試験だな」

「オレ達が受けてからもうニ年か。……今年は色々あったけど割といい年だったな」

「そうか?」

「ああ、お前ともまた会えたし」

「……私も」

「あ?」

「私も、そう思う」

「そうか」

 

 

~年、越えて~

 

「あけましておめでとう」

「ああ、おめでとう」

「……なんか良いな、こういうの」

「?」

「仕事とはいえ、一緒に年を越せる奴がいるってのは」

「……レオリオ」

「ん?」

「今年は……きっと今まで以上に君の世話になるだろう。……今年“も”、宜しく頼む」

「今更だろそんなの。こちらこそ宜しくな、クラピカ」

 

 

 

END

 

 

・ハンター協会本部ビルで年越し設定。合流後のデレピカさん

 

 

 

 

 

 


 

 

 

『××××××』

 

 

 日付が変わり、おめでとうに続いて囁かれた言葉に刮目した。

 

「……もう一回!」

「二度は言わんぞ」

「誕生日特権!」

「何度も言わせるな!」

 

 何だよ! オレなんか普段から言い足りない位言ってるのに、と返すと

 

「こんなこと…お前にしか言ったことない」

 

 と消え入りそうな声で呟かれた。

 ……悪ィ、もう十分だわ。

 

 

 

END

 

 

 

・レオリオ誕生日記念ss。お言葉はご想像にお任せします。

 

 

 

 

 

 


 

 

 

『しあわせ』

 

 

 日付が変わって、耳元で囁かれた言葉。

 一番乗りだなと笑う君に、子どもかと呆れつつも、眼が赤くなるのは隠しきれない。

 情けない位に頬が緩む。

 

 ……こんな些細なことすらも大事にしてくれる君と、会えて良かった。

 

「生まれてきてくれてありがとう」

 

 福音の言葉に、ありがとうと返せる幸福を噛み締める。

 

 

 

END

 

 

 

2015年クラピカ誕生日記念ss。最初の一文はレオリオと対です。

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

『しあわせの続き』

 

 

 日付が変わった。

 誕生日、終わったなという彼の言葉に目を瞑る。

 目を開けたら、このひと時の夢も終わっているのではないかとふと思った。

 時間をかけて瞼を上げる。するとどうした? と笑う君。

 

 愛しい人が傍にいる幸福は、昨日だけの特別な魔法ではなく、続いていくものなのだと思えて、胸が熱くなった。

 

 

 

END

 

 

 

 

4月5日の出来事。

 

 

 

 

 


 

 

 

『きいろいとり』

 

 

*クラピカの頭にはひよこが乗っています*

 

 黄色い頭に、黄色い生き物が三匹。

 

「どうしたんだそいつら?」

「何故か集まってきた。懐かれたのかもしれない」

「お前のこと、母親だと思ってんじゃねぇ?」

「刷り込みか。しかしあれは卵から孵化したばかりでないと……」

 

 と困った顔をしながらうんちくを述べ始める上でピィピィ。

 やべぇ、癒される。

 

「良いハンターは動物に好かれるって昔聞いたよ」

「へー、良かったじゃんクラピカ」

「うむ……しかし首が疲れるな」

「かといって下向いたら落ちちまいそうだしな。よし、オレの手の中に……」

 

 ピギャー!

 

「クラピカの方がいいんだってさ、残念だったねオッサン」

「お前ら何が気にいらねぇんだ!」

「近い、煩い」

 

 

 

END

 

 

 

Twitterで一時期流行した「RTされた分推しキャラにひよこを乗せる」タグで、フォロワーさんが描いていらしたイラストを見て書いたもの。

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 時折、消えてしまいたくなる時がある。

 後悔や無力感でいっぱいになった時。昔の夢を見た後とか特にだ。

 そのまま全て投げ出して闇に身を委ねそうな私を、いつも引く腕がある。

 夢の中でも、現実でも。

 今己がここにいるのはこの手のお陰だと、気付いたのは少し前だ。

 多分、君がいなかったらとっくの昔に。

 

 

(私はきっと、消えていた。)

 

 

END

 

 

 

自暴自棄になったピカさんを救う人。

 

 

 

 

 


 

 

 

『ほぐれる瞬間』

 

 

 寂しそうな背中をしていたから、許可を得る前に頭に手を乗せた。

 それから暫く髪をわしゃわしゃ。

 嫌がられるか?と思ったが、振りほどいてはこない。

 顔を覗く。

 少し困ったように眉を下げてお前は言いかける。

 

「……君はいつも、」

 

 口を閉じた。

 ちょっとだけ笑った。

 

「私が欲しい時に手を伸ばしてくれるな」

 

 

 

END

 

 

 

クラピカの頭を撫でるレオリオが見たいというフォロワーさんがいらっしゃったので書いたものです。

 

 

 

 

 

 


 

 

 

『似た者同士』

 

 

 傍にいて、癒してやるなんておこがましい。

 自分に出来ることなんてごく僅かで、あいつはそんな小さな救いすら望んでいないのかもしれない。

 

 それでも手が届く位置に立っているのは、あいつが求めた時に応える為だ。

 鬱陶しいと言われようがこれは譲れねぇ。

 ……そうさ。結局オレもお前も、自分勝手なんだ。

 

 

END

 

 

 

レオクラの根底にあるものは似ているなぁと。

 

 

 

 

 

 


 

 

 

『重なった偶然』

 

 

 一度目、顔を上げたタイミング。

 二度目、ゴンの発言に思わず横に視線を投げた時。

 三度目、食事を飲み込んだ瞬間。

 こう何度も視線が合うと、わざとじゃないかとすら思うが、それは向こうも同じらしい。

 何故じろじろ見てくるのだと問われたこともある。

 しかし、別に悪い気はしない。これも同じだろうか。

 

 

END

 

 

 

140字お題「重なった偶然」より。どちらの視点かは明確にしてません。

 

 

 

 

 

 


 

 

 

「変わること」

 

 この心を明け渡すことなど、出来ない。

 君がこれ以上私の中に入ってきたら、私が変わってしまう。

 その事が、こわい。

 私は目的のため、同胞のために生きると誓ったのだ。

 なのにそんなに優しくされたら……君を……自分を、大事にしたくなる。

 価値観が変わってしまう。

 君と一緒に生きたいなんて、願ってしまう。

 

 

END